ハグワィベルシアター『生きてるうちが華なのよ。』当たり前のことではないのです。
私が高校の時の部活の顧問の先生。
私の舞台には都合があえば必ず観に来てくださってます。
もともとアクティブになんでもやってる先生だったけど、定年を迎えてからはますます活動的になり、今ではシニア劇団に入って舞台をやってらっしゃる。
しかもワイルダーの「わが町」とか清水邦夫さんの「楽屋」とかいずれも名作をやられてるからすごい。
そこのシニア劇団の皆さん、いつも楽しそうにお芝居をやってらして。私も予定があえば観にいかせていただいてるのですが、いつも元気と勇気をもらっています。
先生に「ご招待します」と連絡したら。
「いえ、チケット代は払います。みれどがずっと芝居を続けていくための応援です」とおっしゃってくださる・・・。
なんて有難いことなのだろうか。
思えば私は芝居を続けて26年。
本当にいろいろなことがあったけれど、このまま続けてていいものか、と悩んだことももちろんあったけれど。
そんな時は、もう二度と舞台に立てないと言われたあの日のこと、あの想いを思い出すと、やりたいことがやれる・・・という当たり前ではない有難さを何度も再認識しながらここまで来た感じです。
あの日、動かなかった私の左手は今は動いてます。時々、しびれたりしますけど、大丈夫です。
ココロとカラダが動いてる限り。表現することをずっと続けてゆきたいと想っていますが、それは当たり前ではない、ということを常に意識していたいとも思っています。
ちょっと紛らわしい言い方だけども、当たり前ではないけど、とても自然に導かれてることでもあり。
いろんなご縁が繋がっていることも想うと、日々に周りに、今この一瞬一瞬に感謝するばかりです。
と同時に。
芝居を観に来てくださるお客様にも。
芝居を観てくださる・・ということも決して当たり前ではありません。
私は10代の頃からお芝居、映画、音楽が好きだったので、例えば同じ歳の友達が一生懸命バイトしておしゃれのためにお金をつかったり、旅行に出かけたり、と同じように。
まず芝居、映画、音楽、本・・にお金をつかってました。
当時の新劇のお芝居だと、劇場によるけど3000円から7000円。
小劇場は1800円が主流。
映画は1500円。あ、これは今も1000円で観れる日もあるからあまり変わらないかな。
そして今。今回の舞台は3500円です。
ええ、好きなものに換算してみてください、そうです、それが普通です。そりゃそうなんです。だからこそ・・なのです。
とにかく、可愛い洋服を買うなら芝居のチケットを買う。それは私にとって無駄使いではなく。。
でも別の誰かにしてみたら・・だったら洋服を買いたいかな、その分、お食事に行きたいかな、と想うことはとてもとても自然なことです。
宝物のような時間や想いを手に入れる貴重なことであるのは変わりない。
自分の好きなものに自分が働いたお金をつかう、それは当たり前かもしれないですが、誰かが同じようにお金や時間をかけてくれることは当たり前ではありません。
お芝居のご案内をするたびにいつも思います。
どうしたらみなさんに恩返しができるだろうか。
もちろんそれは良い作品を届けることしかないのだけど、でももっともっともっと。
時間とお金と心とカラダ・・大切な全てをつかって、観に来てくださる。
それに対して何ができるだろうか。っていつも思っています。
当たり前ではないのです。
観てくださること、それは凄く凄く特別なこと。
私にしてみれば舞台は誕生日のようなもので、作品の生まれる日なので、
その作品に誰かが立ち会ってくれるというのはこの上ない幸せなことなのだけれど。
けども逆からしたら・・どうなんだろう。っていつも思います。
忙しいスケジュール、お金ももちろんだけど、何より時間をつくるってことは本当に大変です。
そのためにいろいろなことを長期にわたり調整しなければならない場合もある。
当日はいろんなことをクリアーしながら劇場まで足を運んでくださる。
私もたくさんのお芝居のご案内をいただきますが、基本はお芝居をみるのが好きなので苦痛ではありません。
でもそうではない場合の方々には、お芝居のご案内をする度に、うーん・・・また困らせてしまうのかな・・という気持ちもあります。
その人の好きなことにこのお金を時間をつかえるではないか、とも思ってしまう。
ちょっと痛い話になりますが、お芝居の仲間だけで囲まれてて時折、ちょっとずれてるのではなかろうかっていう方にもあったりします。
お芝居やってることが凄いと勘違いしていたり。。。凄い?って意味がよくわかんないけども。あと、このお芝居は絶対観なきゃ損だよ~とかいう感じの方もいますが、
私は全くそういうふうに思いません。
芝居を観なくて損か得かなんてことはないです。
その人の人生で出逢うべきして出逢う表現はいろいろある。
いろんな場所でそれぞれ人生、楽しんでいるんですもん。
もっと自分の首をしめるようなことを言えば、お芝居が好きな私だって、
芝居に対する姿勢とか人間に対する姿勢とか・・むむむと想う場合は観に行かないので。。。
あ!個人的な話になりますが、
けど忙しくてバタバタして、でもお芝居の宣伝しなきゃって感じで、でも、ああ、丁寧にご挨拶したいっていう気持ちがあるから、なかなか案内できず、ああ~って想ってるうちに月日はたち。
全く宣伝できず。でもしなくちゃいけない・・あ~ってメールになってしまう・・っていうような出来事、気持ちは私もすごく理解できますので、そういうことではないのですが(笑)それは大丈夫です。
今はそうではないかもしれないけど、チケット売れない役者は役者じゃない、とかチケット売れない役者は使えないとか言われてたので、余計に私は心が痛いのです。
でもそれも当たり前ではないのですよね、それは私も同じ経験をしてるからそう思うだけで、そうではないことの方が多いと想うので、それに甘えてはいけないわけで・・。
甘えてるつもりはなくとも、無意識にそうしてやしないか、そうしてたつもりはなくともそうとられてしまうのではいか・・・と振り返り、
自分でいっつも反省してます。
この場を借りまして・・ほんとにいつもお芝居の案内ばかりでごめんなさい。
だからこそ。なんとかして観てくださるお客様に楽しんでもらえるように。。と思っております。
この作品を観て。想うこころ。動く心。
何かが動けば、景色が変わる。
景色が変われば、また出逢いもあり、笑顔も増える。笑って行ける。
あなたがハッピーでありますように・・・
そう想って劇場に、舞台にいます。
今回の舞台。
初演を観たのは5年くらい前でしょうか?
すごく面白くて。
実は私は芝居観て泣くことはあんまりないんです。
面白いって想うのはたくさんあるけど、
記憶に残るほど心を揺さぶられた芝居は実はあまりない。
西村さんの作品の言葉とか熱い鼓動みたいなものは、もう10年以上前から魅かれていたのですが・・
この作品を観た時のなんていうか、衝動?驚愕?感動?言い表せない。
ええ~~?!!みたいな。
とにかく西村さんの発想って、みるようでみない、あるようでない発想なんです。
演劇人からしたら、それすごい大変じゃん!?ってことをあえてやってる・・みたいな・・。そしてそこにメッセージもあります。
生きている。
ジャンベルの浅野くんの作品もやっぱり優しい愛があります。
ハグハグもテーマは愛です、ハグはちょっと斜めの愛ですが(笑)
生きていること。
それも当たり前ではないです。
でも生まれた。
生まれたら死んでゆく。
その道で私たちができることはなにか。
それを追い求めながら。
生きてるんだと思います。
12月。選挙と重なりました。
日本はどうなるのか・・
戦争ってどうしてなくならないんだろう。
常日頃、考える日常ではありますが、
その日常に生きてるからこそ。
この舞台をお届けできるのだと思います。
なので観に来てくださる皆様にありったけの想いをこめて。
年末お忙しい時期ではありますが、もしもご予定がつきましたら是非是非
観にいらしてくださいませ。
素敵な年の瀬になりますように。
また明日からも笑って生きていけますように。
グワィニャオン 年の瀬特別公演
ハグワィベル・シアター PART1
『生きてるうちが華なのよ。』
【作・演出】西村太佑
【物語】
某日、TVはしきりに告げていた。
「町中で死者が歩きまわっています。戸締りをして家から出ないで下さい!」
突如アメリカ全土に発生した死者の蘇り。
町中にあふれた死者達は“生ける屍”となり、人肉を求めて生者に襲いかかる!
この異常事態に全米は大パニック!
しかし、日本も例外ではなかった。
東京の下町、北千住にも死者はあふれだしていた!
モノと化した肉体は無意識に歩を進めていく・・・
荒川が流れる穏やかな下町を舞台に、死者対生者の攻防戦が始まる。
某ゾンビ映画の”その時日本では?”を勝手に描く
「ZOMBIE」アンソロジー!
【出演者】
★ハグハグ共和国★
久光真央、月野原りん、櫻井ゆき、中村和之、窪田悠紀子、渋谷恭子、伊喜真理
☆映像出演☆宇田奈央子
◆ハグハグ共和国ゲスト◆ 佐藤麻里子
★グワィニャオン★
西村太佑、渡辺利江子、すわいつ郎、一色彩世、石垣エリィ、酒巻静、
☆映像出演☆ 平塚純子、池上リョヲマ
◆グワィニャオンゲスト◆
咲野俊介、宮崎重信、熊木拓矢、田中沙季、市原博、松下勇、
岡教寛、石川健一、YUHEI、坪野谷暁、冨田泰代、栄島智(映像出演)
★ジャングルベル・シアター★
浅野泰徳、神田英樹、竹内俊樹、塚本善枝、野上あつみ、
福津けんぞう、本多照長、升田智美、松宮かんな
☆映像出演☆大塚大作、西村太一
【日程】
2012年12月12日(水)~16日(日) 全8ステージ
【劇場】
大塚 萬劇場
(JR大塚駅下車 徒歩5分)
【チケット】
前売 3500円(日時・座席指定)
当日 3800円
生き華予習セット 4000円
(※公演チケットと生き華初演DVDがセットになったお得なセットです。
劇団窓口のみの受付で、前売りでご購入のお客様のみ対象です)
※受付は開演1時間前から開始。開場は開演30分前からです。
※購入方法は2種類!※
●その1:ゲッティで申込をして、チケットをセブンイレブンで受け取る。指定席の中から、自分の好きな座席を選ぶことができます。
ゲッティでの予約はこちらから! (→すみません、アドレス訂正中です)
●その2:こりっちチケットで申し込む。(生き華予習セットはコチラからのみの受付です)
支払い方法で”当日精算”もお選びいただけます(座席の指定はできません)
こりっちチケットでの予約はこちらから! →
【スタッフ】
作・演出 西村太佑
演出助手 浅野泰徳
久光真央
舞台監督・美術 井上義幸
照明 畠中泰正
音響 山口心
楽曲提供 後藤冬樹
衣装協力 久保田早織
スチール 渡邊純子
アートワーク アカツカモリオ
制作協力 ジャングルベル・シアター
ハグハグ共和国
企画・制作 グワィニャオン
感謝をこめて。